引っ越したら車庫証明は必要?普通車・軽自動車・駐車場だけ変える場合を解説【東京都】

車庫証明

引っ越し後、住民票を移しただけでは車検証の住所は変わりません。
車を所有している方は、車検証の住所変更とあわせて、
車庫証明や保管場所届出が必要かを確認する必要があります。

普通車では、引っ越しによって自動車の使用の本拠の位置が変わり、
変更後の使用の本拠が車庫証明の対象地域にある場合、
原則として変更登録の際に保管場所証明書が必要です。

軽自動車には普通車と同じ車庫証明の制度はありませんが、
新しい使用の本拠が届出対象地域にある場合は、
保管場所届出が必要になります。

この記事では、東京都内での手続きを前提に、
普通車、軽自動車、駐車場だけを変更した場合の違いを整理します。

「使用の本拠の位置」とは?

自動車を実際に使用・管理する拠点のことです。
個人の自家用車では、通常、実際に居住している場所が該当します。
法人の場合は、実際に活動している事業所や営業所などが該当します。

必ずしも住民票上の住所や法人の登記上の所在地と
一致するとは限りません。

結論|車種と変更内容によって手続きが異なる

引っ越し後に必要な手続きを判断するには、
次の3点を確認します。

  1. 普通車か軽自動車か
  2. 自動車の使用の本拠の位置が変わるか
  3. 新しい使用の本拠が手続きの対象地域にあるか
変更内容 保管場所に関する手続き
普通車の使用の本拠が変わり、
新しい使用の本拠が対象地域にある
車庫証明を取得し、運輸支局等で変更登録
普通車の所有者や住所等は変わらず、
駐車場だけを変更する
保管場所届出
軽自動車で、対象地域内へ転居する 軽自動車検査協会で住所変更後、保管場所届出
軽自動車で、対象地域から対象外地域へ転居する 保管場所届出は原則不要。車検証の住所変更は必要

東京都内でも対象地域は車種によって異なる

東京都23区内は、普通車の車庫証明と
軽自動車の保管場所届出のいずれも対象地域です。

23区外では、普通車と軽自動車で
適用除外地域が異なります。

たとえば、八王子市・町田市・府中市などは、
普通車の車庫証明と軽自動車の保管場所届出の
いずれも対象地域です。

一方、普通車では桧原村や一部の島しょ部が
適用除外地域となっています。

軽自動車では、福生市・武蔵村山市・羽村市・あきる野市・
瑞穂町・日の出町・奥多摩町や、
一部の島しょ部なども適用除外地域です。

対象地域かどうかは、駐車場の所在地ではなく、
原則として自動車の使用の本拠の位置を基準に判断します。

23区外へ引っ越す場合は、車種ごとに地域区分を確認してください。
最新の適用除外地域は、警視庁の

「手続の必要がない地域(適用除外地域)」

で確認できます。

車庫証明と保管場所届出の違い

自動車の保管場所に関する手続きには、
主に「保管場所証明申請」と「保管場所届出」があります。

車庫証明(保管場所証明申請)

一般に「車庫証明」と呼ばれている手続きです。

普通車の新規登録、移転登録、
使用の本拠の位置の変更を伴う変更登録などを受ける際に、
原則として運輸支局等へ保管場所証明書を提出します。

保管場所届出

主に次のような場合に行う届出です。

  • 普通車の所有者や住所等は変わらず、保管場所だけを変更した場合
  • 対象地域で軽自動車を新たに保有した場合
  • 対象地域で軽自動車の保管場所を変更した場合
  • 軽自動車で対象地域内へ転居した場合

保管場所届出には手数料がかからず、
届出後に車庫証明書のような書類が交付されることもありません。

普通車で引っ越した場合

普通車について、引っ越しにより使用の本拠の位置が変わり、
新しい使用の本拠が対象地域にある場合は、
原則として変更登録時に保管場所証明書を提出します。

警察署と運輸支局の窓口で手続きする場合の流れ

  1. 引っ越し後に使用する駐車場を確保する
  2. 車庫証明の申請書類を準備する
  3. 保管場所の所在地を管轄する警察署へ申請する
  4. 交付された保管場所証明書を受け取る
  5. 新しい使用の本拠を管轄する運輸支局等で変更登録を行う

車庫証明は、普通車の変更登録を受ける際に提出する書類です。
警察署の窓口で申請する場合は、
保管場所証明書の交付を受けてから
運輸支局等で変更登録を行います。

なお、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)を
利用できる場合は、保管場所証明申請と変更登録などを
オンラインでまとめて申請できます。

普通車の変更登録は15日以内

引っ越しにより、車検証に記録されている住所や
使用の本拠の位置などに変更が生じた場合は、
変更が生じた日から15日以内に
変更登録を行う必要があります。

住民票の異動と車検証の変更登録は別の手続きです。

また、東京都で交付された保管場所証明書は、
証明日からおおむね1か月以内に
運輸支局へ提出するよう案内されています。

車庫証明はいつ申請すればよい?

車庫証明の申請自体について、
「引っ越し後何日以内」という期限が
定められているわけではありません。

一方、普通車について住所や使用の本拠の位置などに
変更が生じた場合は、変更が生じた日から15日以内に、
運輸支局等で変更登録を行う必要があります。

東京都で車庫証明を窓口申請した場合、
申請から交付まで3日から7日程度かかります。
交付された保管場所証明書は、
証明日からおおむね1か月以内に
運輸支局へ提出するよう案内されています。

そのため、引っ越し後の変更登録期限に間に合うよう、
駐車場が決まったら、必要書類の準備と
車庫証明の申請日程を早めに確認しておくとよいでしょう。

なお、駐車場を使用できる期間がまだ始まっていない場合、
警察署で事前に申請を受理できるのは、
使用権原が有効になる日の最大7日前からです。
この場合、車庫証明の交付予定日は、
駐車場を使用できる日以降となります。

普通車で、引っ越し後も同じ駐車場を使う場合

引っ越し前と同じ駐車場を使い続ける場合でも、
普通車の使用の本拠の位置が変わり、
変更登録を受けるときは、
原則として車庫証明が必要です。

同じ駐車場を使用する場合も、
新しい使用の本拠から2キロメートルを超えていないことや、
引き続きその場所を使用できる権原があることを確認します。

住所だけが変わり、
自動車の使用の本拠の位置が変わらない場合は、
保管場所証明書が不要となることがあります。

住所と使用の本拠が異なるなど個別の事情がある場合は、
変更登録を行う運輸支局等へ事前に確認してください。

軽自動車で引っ越した場合

軽自動車には、普通車のように
保管場所証明書を取得してから登録する仕組みはありません。

引っ越し後は、まず軽自動車検査協会で
車検証の住所変更を行います。

その後、新しい使用の本拠が保管場所届出の対象地域にある場合は、
保管場所の所在地を管轄する警察署へ届出を行います。

軽自動車の一般的な手続きの流れ

  1. 引っ越し後に使用する駐車場を決める
  2. 軽自動車検査協会で車検証の住所変更を行う
  3. 対象地域の場合は、保管場所の所在地を管轄する警察署へ届け出る

軽自動車検査協会で行う住所変更と、
警察署で行う保管場所届出は別の手続きです。

対象地域と対象外地域をまたいで引っ越す場合

軽自動車の保管場所届出が必要かどうかは、
新しい使用の本拠が対象地域にあるかによって異なります。

引っ越しのパターン 保管場所届出
対象地域から対象地域へ転居 必要
対象外地域から対象地域へ転居 必要
対象地域から対象外地域へ転居 原則として不要
対象外地域から対象外地域へ転居 不要

保管場所届出が不要な場合でも、
軽自動車検査協会で行う車検証の住所変更は必要です。

住所は変わらず、駐車場だけを変更した場合

月極駐車場の借り替えなどにより、
住所はそのままで、駐車場だけを変更することもあります。

普通車について、所有者や住所等に変更がなく、
保管場所だけを変更した場合は、
新たに車庫証明を取得するのではなく、
保管場所届出を行います。

軽自動車についても、
使用の本拠が対象地域にあり、
保管場所を変更した場合は届出が必要です。

保管場所を変更した場合は、
変更した日から15日以内に、
変更後の保管場所の所在地を管轄する警察署へ届け出ます。

保管場所届出は警察署窓口のほか、
e-Govを利用してオンラインで行うこともできます。

新しい駐車場が満たすべき4つの要件

車庫証明や保管場所届出に使用する駐車場は、
次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 道路以外の場所であること
  • 使用の本拠の位置から2キロメートルを超えないこと
  • 道路から支障なく出入りでき、車全体を収容できること
  • 保管場所として使用する権原があること

月極駐車場を契約できた場合でも、
車体が区画内に収まらなかったり、
使用の本拠から2キロメートルを超えていたりすると、
保管場所として認められません。

車庫証明と保管場所届出の必要書類

車庫証明申請と保管場所届出では、
使用する申請書・届出書が異なります。

東京都の警察署窓口で手続きする場合の書類を、
それぞれ分けて確認します。

普通車の車庫証明申請に必要な書類

  • 自動車保管場所証明申請書 1通
  • 保管場所の所在図・配置図 1通
  • 保管場所の使用権原を示す書面 1通

自己所有の土地や建物を保管場所とする場合は、
保管場所使用権原疎明書面(自認書)を使用します。

月極駐車場など他人所有の場所を使用する場合は、
保管場所使用承諾証明書を用意します。

必要な記載事項を満たしていれば、
駐車場の賃貸借契約書の写しや
駐車料金の領収書などを使用できる場合もあります。

保管場所届出に必要な書類

  • 自動車保管場所届出書 1通
  • 保管場所の所在図・配置図 1通
  • 保管場所の使用権原を示す書面 1通

使用権原を示す書面は、車庫証明申請と同様です。

  • 自己所有の場合:保管場所使用権原疎明書面(自認書)
  • 他人所有の場合:保管場所使用承諾証明書など

住所と使用の本拠の位置が異なる場合

申請書または届出書に記載する住所と、
自動車の使用の本拠の位置が異なる場合は、
使用の本拠の実態を確認できる資料を
求められることがあります。

確認資料の例には、次のようなものがあります。

  • 電気・ガスなどの公共料金の領収書
  • 消印のある郵便物
  • 運転免許証
  • 自動車検査証(軽自動車に限る)

本人が窓口で申請・届出をする場合は、
係員が資料を確認します。

代理人が申請・届出をする場合は、
確認資料の写しを添付します。

提出先・手数料・所要日数

手続き 提出先・申請方法 手数料等
車庫証明の窓口申請 保管場所の所在地を管轄する警察署 2,400円/申請から3~7日で交付
車庫証明のOSS申請 自動車保有関係手続のワンストップサービス 2,300円
保管場所届出 保管場所の所在地を管轄する警察署、またはe-Gov 無料/交付書類なし

OSSは、車庫証明だけを単独でオンライン申請する仕組みではなく、
自動車の変更登録などの関連手続きとあわせて申請する
ワンストップサービスです。

利用できる手続きや準備する書類は申請内容によって異なります。
また、表の2,300円は東京都の保管場所証明申請手数料であり、
登録手数料や税金などが別に必要になることがあります。

警察署窓口で車庫証明や保管場所届出を行う場合の提出先は、
申請者の住所を管轄する警察署ではなく、
対象となる保管場所の所在地を管轄する警察署です。

警察署の窓口受付時間は、
土曜・日曜・祝日、休日、年末年始を除く
午前8時30分から午後4時30分までです。

本人が警察署の窓口で車庫証明を申請する場合は、
通常、申請と受取りのために
平日に2回警察署へ行くことになります。

なお、2025年4月1日に保管場所標章制度が廃止されたため、
現在は車の後部ガラスに貼る保管場所標章は交付されません。

引っ越しに伴う車庫証明の手続きでお困りの方へ

引っ越し後は多くの手続きが重なり、
平日に警察署へ申請や受取りに行く時間を
確保しにくいこともあります。

Aime行政書士事務所では、
必要書類の確認、申請書や所在図・配置図の作成、
対応地域では警察署への申請・受取りまでサポートしています。


車庫証明サポートを見る


相談・問い合わせをする

引っ越し時に間違えやすいポイント

住民票を移せば車検証の住所も変わる?

住民票の異動と車検証の住所変更は別の手続きです。
普通車は運輸支局等、軽自動車は軽自動車検査協会で
住所変更を行います。

軽自動車なら警察署での手続きは一切不要?

軽自動車に普通車と同じ車庫証明はありません。
ただし、新しい使用の本拠が東京都23区などの対象地域にある場合は、
保管場所届出が必要です。

対象地域は駐車場の住所で判断する?

車庫証明や軽自動車の保管場所届出の対象地域かどうかは、
原則として自動車の使用の本拠の位置を基準に判断します。

一方、実際の申請・届出先は、
保管場所の所在地を管轄する警察署です。

普通車で同じ駐車場を使い続けるなら何もしなくてよい?

普通車の使用の本拠の位置が変わる場合は、
駐車場が以前と同じでも、
変更登録時に車庫証明が必要になるのが原則です。

同じ駐車場が、新しい使用の本拠から
2キロメートル以内にあるかも確認してください。

まとめ

  • 普通車の使用の本拠が対象地域内で変わる場合は、変更登録時に原則として車庫証明が必要
  • 普通車の所有者や住所等は変わらず、駐車場だけを変更する場合は保管場所届出
  • 軽自動車で対象地域内へ転居する場合は、住所変更後に保管場所届出を行う
  • 軽自動車で対象地域から対象外地域へ転居する場合、保管場所届出は原則不要
  • 手続きの対象地域は使用の本拠、提出先は保管場所の所在地を基準に確認する

引っ越しの日程が決まったら、
車種、新しい使用の本拠、駐車場の所在地、
駐車場の使用開始日を確認しておきましょう。


執筆・確認:行政書士 石田文子
最終確認日:2026年7月28日

主な参考資料