古物商の管理者とは?個人事業主本人でもいい?役割・選任・変更届を解説

古物商

古物商許可を申請するとき、申請書には「管理者」を記載する欄があります。

この管理者について、

「個人事業主本人が管理者になってもいいの?」
「代表者と管理者は同じ人でいい?」
「家族や従業員を管理者にできる?」
「複数の営業所で同じ人を管理者にできる?」
「管理者が変わったら変更届が必要?」

と迷う方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、古物商は営業所ごとに管理者を1人選任する必要があります。

個人事業主本人が管理者になることもありますし、法人の代表者や従業員が管理者になることもあります。

ただし、管理者は単なる名義上の担当者ではありません。

その営業所の古物営業を適正に行うための責任者として、本人確認、帳簿管理、不正品の疑いがある取引への対応などに関わる立場です。

この記事では、古物商の管理者について、役割、代表者との違い、選任時の注意点、変更届が必要になるケースを解説します。

  1. この記事でわかること
  2. まず結論|古物商は営業所ごとに管理者が必要
  3. 古物商の管理者とは
  4. 管理者と代表者・個人事業主本人の違い
  5. 個人事業主本人が管理者になれる?
  6. 法人代表者が管理者を兼ねてもいい?
  7. 家族や従業員を管理者にできる?
  8. 管理者にできない人
  9. 管理者は営業所に常駐する必要がある?
  10. 複数営業所で管理者を兼任できる?
  11. 自宅・レンタルオフィス・ネット販売の場合の管理者
  12. 管理者の選び方|申請前チェックリスト
  13. 申請時に管理者分の書類も必要になる
  14. 管理者を変更するときは変更届が必要
  15. 管理者の住所・氏名が変わったとき
  16. 管理者に関する変更届の期限
  17. 管理者まわりでよくあるミス
  18. 管理者を決めるときの実務上の考え方
  19. よくある質問
    1. 古物商の管理者とは何ですか?
    2. 個人事業主本人が管理者になってもいいですか?
    3. 法人代表者が管理者を兼ねてもいいですか?
    4. 管理者は従業員でもいいですか?
    5. 家族を管理者にできますか?
    6. 管理者は営業所に常駐しなければなりませんか?
    7. 複数営業所で同じ人を管理者にできますか?
    8. 自宅やレンタルオフィスでも管理者は必要ですか?
    9. 管理者が変わったら手続きが必要ですか?
    10. 新しい営業所を追加する場合も管理者を決める必要がありますか?
    11. 管理者の住所が変わっただけでも届出が必要ですか?
    12. 古物商許可申請の身分証明書は運転免許証ですか?
    13. 管理者を置かないとどうなりますか?
  20. まとめ

この記事でわかること

この記事では、次の内容を解説します。

  • 古物商の管理者とは何か
  • 個人事業主本人や法人代表者が管理者になれるか
  • 管理者にできない人
  • 複数営業所で管理者を兼任できるか
  • 管理者を変更するときの手続き
  • 申請前に確認しておきたい管理者まわりの注意点

まず結論|古物商は営業所ごとに管理者が必要

古物商は、営業所ごとに管理者を1人選任しなければなりません。

これは、古物営業法で定められている義務です。

管理者は、その営業所に係る業務を適正に実施するための責任者です。

つまり、古物商許可の申請で「とりあえず誰かの名前を書いておけばよい」というものではありません。

実務上は、次のような点を確認しておく必要があります。

確認したいこと考え方
個人事業主本人が管理者になる可能なケースが多い
法人代表者が管理者を兼ねる可能なケースがある
家族や従業員を管理者にする実際に営業所の業務を管理できるかが重要
名義だけの管理者を置く避けるべき
複数営業所で同じ人を管理者にする実質的に管理できるか慎重に判断
管理者が変わる変更届が必要
管理者の住所・氏名が変わる変更届が必要になる

特に注意したいのは、「管理者=申請書に書くための名前」ではないという点です。

古物商の管理者は、不正品の疑いがある古物を見分けるために必要な知識・技術・経験を身につけることも求められます。

そのため、営業の実態から離れた人を管理者にするのではなく、その営業所の取引内容を把握できる人を選ぶことが大切です。

古物商の管理者とは

古物商の管理者とは、営業所ごとに選任する、その営業所の古物営業を適正に実施するための責任者です。

古物営業法では、古物商または古物市場主は、営業所または古物市場ごとに、その営業所または古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者1人を選任しなければならないとされています。

管理者の役割は、単に申請書に名前を載せることではありません。

たとえば、古物商の営業では、次のような実務が問題になります。

  • 買取時の本人確認
  • 帳簿や買取記録の管理
  • 取扱品目ごとの注意点の確認
  • 不正品の疑いがある取引への対応
  • 従業員がいる場合の取引ルールの共有
  • 警察から確認を受けたときの説明準備

管理者は、こうした営業所の古物営業が適正に行われるように関わる立場です。

そのため、管理者を選ぶときは、実際の営業内容を把握できる人かどうかを考える必要があります。

管理者と代表者・個人事業主本人の違い

管理者と代表者は、同じ意味ではありません。

個人事業主の場合、許可を受けるのは個人事業主本人です。

法人の場合、許可を受けるのは法人であり、代表者や役員は法人の関係者として審査されます。

一方、管理者は「営業所ごとの責任者」です。

整理すると、次のようになります。

区分役割
個人事業主本人個人許可の申請者本人
法人法人許可の申請主体
代表者法人を代表する人
役員法人の役員として審査対象になる人
管理者営業所ごとの古物営業の責任者

個人事業主本人がそのまま管理者になることもあります。

法人代表者が管理者を兼ねることもあります。

ただし、申請者や代表者と管理者は、法律上の役割が違います。

「代表者だから自動的に管理者になる」というより、営業所の業務を実際に管理できる人を管理者として選ぶ、という考え方で整理しましょう。

個人事業主本人が管理者になれる?

個人で古物商許可を申請する場合、個人事業主本人が管理者になるケースは多いです。

たとえば、次のようなケースです。

  • 自分一人で中古品販売を行う
  • 自宅やレンタルオフィスを営業所にする
  • ネット販売中心で、仕入れや販売管理も本人が行う
  • 買取申込書や帳簿も本人が管理する

このような場合、実際に古物営業を行う本人が管理者になるのは自然です。

ただし、本人が管理者になる場合でも、管理者としての役割は軽く考えないほうがよいでしょう。

本人確認、帳簿記載、不正品の疑いがある取引への対応など、許可後の義務は自分で管理する必要があります。

個人事業主本人が管理者になる場合は、申請時点で次の点を整理しておくと実務に入りやすくなります。

  • どこを営業所にするか
  • どの品目を扱うか
  • 買取を行うか、販売中心か
  • 帳簿をどの方法で管理するか
  • 本人確認書類をどのように確認するか
  • フリマアプリやネット仕入れを使うか
  • 不正品の疑いがある商品をどう避けるか

申請書の管理者欄を書くだけでなく、許可後の運用まで考えておくことが大切です。

法人代表者が管理者を兼ねてもいい?

法人で古物商許可を申請する場合、法人代表者が管理者を兼ねることもあります。

たとえば、代表者自身が営業所で古物営業の実務を管理する場合です。

一方で、代表者が現場の取引をほとんど見ていない場合や、実際の買取・販売管理を別の従業員が行っている場合は、その従業員を管理者にするほうが実態に合うこともあります。

法人の場合は、次のように考えると整理しやすいです。

状況管理者の考え方
代表者が営業所の実務も管理している代表者が管理者を兼ねることがある
店長や責任者が買取・帳簿管理をしている店長や責任者を管理者にすることがある
本社代表者が現場を見ていない名義だけの管理者にならないよう注意
複数店舗を展開している営業所ごとに実態に合う管理者を選ぶ

管理者は、会社の肩書だけで決めるものではありません。

その営業所の古物営業を実際に管理できるかどうかで判断します。

家族や従業員を管理者にできる?

家族や従業員を管理者にすることもあります。

ただし、その人が実際に営業所の古物営業を管理できるかが重要です。

たとえば、次のような人は管理者候補になり得ます。

  • 店舗の店長
  • 買取担当の責任者
  • 在庫や帳簿を管理する従業員
  • 家族経営で実際に営業所の運営を担当している家族

一方で、次のような人を管理者にするのは避けたほうがよいでしょう。

  • 名前だけ貸している人
  • 古物営業の実務に関わらない人
  • 営業所の所在地や取扱品目を把握していない人
  • 連絡が取りにくい人
  • 実際には別の場所で働いていて管理できない人

管理者は、営業所の業務を適正に行うための責任者です。

そのため、「書類を出しやすいから」「頼みやすいから」という理由だけで選ぶと、許可後の運用で困ることがあります。

管理者にできない人

誰でも管理者になれるわけではありません。

古物営業法では、次のような人は管理者になることができないとされています。

  • 未成年者
  • 古物営業法第4条第1号から第7号までのいずれかに該当する人
  • 心身の故障により管理者の業務を適正に実施できない者として、国家公安委員会規則で定める人

第4条第1号から第7号までには、たとえば次のような事情が含まれます。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない
  • 一定の刑に処せられてから5年を経過していない
  • 暴力的不法行為等を行うおそれがあると認められる事情がある
  • 住居が定まっていない
  • 古物営業許可の取消しから一定期間が経過していない

細かい欠格事由は法律上の判断を伴うため、該当しそうな事情がある場合は、申請前に管轄警察署へ確認しましょう。

管理者にできない人を選んでしまうと、許可申請や変更届の段階で問題になる可能性があります。

管理者は営業所に常駐する必要がある?

管理者は、営業所の業務を適正に実施するための責任者です。

そのため、原則として、その営業所の業務を管理できる状態にある人を選ぶ必要があります。

警察庁の解釈運用基準でも、管理者は営業所等に常勤して、管理者の業務に従事し得る状態である必要があるとされています。

ただし、複数の営業所等が近接しており、同じ人が双方の営業所を実質的に統括管理でき、管理者の業務を適正に行える場合には、同一人が複数営業所の管理者を兼任することも許容されるとされています。

つまり、「毎分その場所にいなければならない」というより、営業所の古物営業を実質的に管理できる状態にあるかが問題になります。

たとえば、次のような場合は注意が必要です。

  • 管理者が営業所から遠方に住んでいる
  • 管理者が営業所の取引をほとんど見ていない
  • 店舗スタッフだけで買取を行い、管理者が確認していない
  • 管理者が帳簿や本人確認の運用を把握していない
  • 警察から確認を受けたときに、管理者が取引内容を説明できない

特に、買取を行う店舗では、本人確認や不正品の疑いがある取引への対応が問題になりやすいため、現場と離れすぎた管理者は避けたほうがよいでしょう。

複数営業所で管理者を兼任できる?

古物商は、営業所ごとに管理者を1人選任する必要があります。

では、同じ人が複数の営業所の管理者を兼ねられるのでしょうか。

この点は、単純に「必ずできる」「絶対にできない」と考えるより、実際に複数の営業所を適正に管理できるかで見る必要があります。

警察庁の解釈運用基準では、複数の営業所等が近接しており、双方の営業所等を実質的に統括管理でき、管理者の業務を適正に行える場合には、同一人が複数営業所の管理者を兼任することも許容されるとされています。

複数営業所で同じ人を管理者にする場合は、次の点が問題になります。

  • 営業所同士の距離
  • 営業日・営業時間
  • 買取業務の有無
  • 従業員の人数
  • 管理者が各営業所の取引を把握できるか
  • 帳簿や本人確認記録を確認できる体制があるか
  • 不正品の疑いがある取引に対応できるか

たとえば、近接した営業所で、管理者が実際に行き来しながら業務を把握できるようなケースと、遠方の複数店舗を名義だけで兼任するケースでは、実態が大きく違います。

管理者の兼任については、営業所の距離、営業日、営業時間、取扱品目、買取の有無、従業員体制などによって確認されるポイントが変わります。

また、実際の申請では、管轄警察署によって確認される資料や説明内容が異なることもあります。

複数営業所で同じ人を管理者にする予定がある場合は、申請書を作り始める前に、営業所を管轄する警察署の防犯係へ事前に相談しておくと安心です。

特に、店舗数が増える場合や、遠方の営業所を設ける場合は、各営業所ごとに実態に合う管理者を置く前提で考えましょう。

自宅・レンタルオフィス・ネット販売の場合の管理者

自宅やレンタルオフィスを営業所にして、ネット販売中心で古物商を始める場合も、管理者は必要です。

「店舗を構えていないから管理者はいらない」というわけではありません。

営業所として届け出る場所がある以上、その営業所に係る業務を適正に実施する責任者として、管理者を選任する必要があります。

ネット販売中心の場合でも、次のような業務が発生します。

  • 仕入れ先の確認
  • 本人確認が必要な取引の判断
  • 帳簿や取引記録の管理
  • 在庫の保管状況の管理
  • URL届出やサイト表示の確認
  • 不正品の疑いがある商品の判断
  • フリマアプリやネットオークション仕入れの運用確認

そのため、ネット販売だからこそ、管理者が実際の取引の流れを把握しておく必要があります。

特に、フリマアプリ仕入れや匿名配送を利用する場合は、相手方確認や帳簿記載でつまずきやすいため、管理者が運用ルールを決めておくと後から困りにくくなります。

自宅やレンタルオフィスを営業所にする場合は、営業所としての独立性、使用権限、在庫や帳簿の管理方法、管理者が実際に業務を把握できるかなどを確認されることがあります。

特にレンタルオフィスは、契約内容や部屋の使い方によって判断が分かれやすい部分です。

申請先の警察署によって確認される資料や説明内容が異なることもあるため、契約前または申請前に、営業所を管轄する警察署の防犯係へ相談しておくことをおすすめします。

管理者の選び方|申請前チェックリスト

管理者を選ぶときは、次の点を確認しておきましょう。

□ 営業所ごとに管理者を1人選んでいる
□ 管理者が未成年者ではない
□ 管理者に欠格事由がない
□ 管理者が営業所の取扱品目を把握している
□ 管理者が買取・仕入れの流れを理解している
□ 本人確認や帳簿記載の運用を管理できる
□ 不正品の疑いがある取引への対応を理解している
□ 管理者が実際に連絡を取れる人である
□ 名義だけの管理者になっていない
□ 管理者が変わった場合の届出を把握している

このチェックに引っかかる場合は、申請前に管理者の選び方を見直したほうがよいでしょう。

管理者は許可申請時だけでなく、許可後の営業にも関わる人です。

「誰を管理者にすれば申請が通りやすいか」だけでなく、「誰が営業所の取引を管理できるか」で選ぶことが大切です。

申請時に管理者分の書類も必要になる

古物商許可申請では、申請者本人や法人役員だけでなく、管理者分の書類も必要になります。

警視庁の案内では、個人許可申請の場合、本人と営業所の管理者について、略歴書、住民票の写し、誓約書、身分証明書が必要とされています。

法人許可申請の場合も、役員全員と営業所の管理者について、略歴書、住民票の写し、誓約書、身分証明書が必要とされています。

整理すると、次のようになります。

申請区分管理者分の書類
個人申請管理者の略歴書、住民票の写し、誓約書、身分証明書
法人申請管理者の略歴書、住民票の写し、誓約書、身分証明書
申請者本人が管理者を兼ねる場合本人分として書類を用意する
役員が管理者を兼ねる場合役員分・管理者分の扱いを申請先に確認

身分証明書は、運転免許証やマイナンバーカードのことではありません。

古物商許可申請でいう身分証明書は、本籍地のある市区町村で取得する書類です。

破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない者に該当しないことなどを証明するために提出します。

運転免許証などの本人確認書類とは別物なので、申請前に取得先を間違えないようにしましょう。

管理者を変更するときは変更届が必要

許可を受けた後に管理者が変わった場合は、変更届が必要です。

たとえば、次のようなケースです。

  • 管理者だった従業員が退職した
  • 店長が交代した
  • 家族経営で管理者を別の家族に変える
  • 法人代表者から店舗責任者へ管理者を変える
  • 営業所の新設に伴い、新しい営業所の管理者を決める
  • 現在の管理者を別の営業所の管理者にする

管理者の交替では、新たな管理者について、略歴書、住民票の写し、誓約書、身分証明書などが必要になります。

ただし、すでに管理者として就任している人が別の営業所に異動して管理者になる場合は、添付書類を省略できるケースもあります。

管理者の交替は、変更後に届け出る手続きです。

一方、営業所の名称や所在地の変更、新設・廃止などは、事前の届出が必要になる場合があります。

営業所を新設する場合は、営業所に関する届出と、その営業所の管理者をどう置くかをあわせて整理する必要があります。

管理者変更と営業所変更が同時に起きる場合は、届出の種類や期限を間違えないようにしましょう。

管理者の住所・氏名が変わったとき

管理者が同じ人のままでも、住所や氏名が変わった場合は変更届が必要になることがあります。

たとえば、次のようなケースです。

  • 管理者が引っ越した
  • 管理者が結婚などで氏名を変更した
  • 管理者の住所表記が変わった

警視庁の案内では、営業所の管理者の氏名変更や住所変更について、本籍が記載された住民票の写しが添付書類として案内されています。

管理者本人が変わっていなくても、申請書に記載した事項に変更があれば、届出が必要になる可能性があります。

変更があったときは、「管理者は同じ人だから何もしなくてよい」と考えず、届出の要否を確認しましょう。

管理者に関する変更届の期限

管理者の氏名や住所、管理者そのものの交替は、事後の変更届として扱われます。

警視庁の案内では、古物営業法第5条第1項各号のうち、営業所の名称・所在地以外の事項に変更があった場合、変更の日から14日以内に届出が必要とされています。

登記事項証明書を添付すべき場合は、20日以内とされています。

一方、営業所の名称や所在地の変更、営業所の新設・廃止などは、原則として事前の届出が必要になるため、同じ「変更」でも期限が異なります。

管理者の変更は、後回しにしやすい手続きです。

しかし、届出を忘れると、許可内容と実際の営業体制がずれた状態になります。

管理者が退職した、異動した、住所が変わったといった場合は、早めに必要書類を確認しましょう。

管理者まわりでよくあるミス

管理者については、申請時よりも許可後にミスが出やすいです。

よくあるミスを整理しておきます。

よくあるミス注意点
管理者を単なる名義人だと思っている管理者は営業所の業務を適正に実施するための責任者
個人事業主本人を書けば終わりだと思っている許可後の本人確認・帳簿管理まで本人が担うことになる
法人代表者を管理者にしたが現場を把握していない実際に営業所を管理できる人か確認する
家族の名前だけ借りる名義だけの管理者は避ける
管理者の住所変更を届け出ていない管理者本人が変わらなくても変更届が必要になることがある
店長交代後も管理者変更をしていない管理者の交替は届出対象
複数営業所を1人で兼任させている実質的に管理できるか慎重に確認する
ネット販売だから管理者はいらないと思っている営業所がある以上、管理者は必要
レンタルオフィスならどこでも営業所にできると思っている契約内容や使用実態を確認されることがある
営業所新設と管理者変更の届出を同じものだと思っている営業所に関する事前届出と管理者の事後届出は分けて確認する
不正品対応を管理者任せにしてルールがない管理者だけでなく、取引に関わる人全体で運用を共有する

管理者は、許可申請のためだけに決めるものではありません。

許可後に営業を続けるなかで、本人確認、帳簿、不正品対応、従業員への共有などに関わる実務上の役割があります。

管理者を決めるときの実務上の考え方

管理者を決めるときは、「誰なら書類を用意しやすいか」だけで決めないほうがよいでしょう。

実務上は、次のような人が管理者に向いています。

  • 営業所の取引内容を把握している
  • 取扱品目の特徴を理解している
  • 本人確認や帳簿記載の運用を確認できる
  • 不正品の疑いがある取引に気づける
  • 従業員に取引ルールを共有できる
  • 警察から確認を受けたときに説明できる
  • 変更があったときに届出の必要性に気づける

反対に、次のような人は管理者に向きません。

  • 営業実態を知らない
  • 古物の取扱品目を把握していない
  • 帳簿や本人確認の運用を知らない
  • 連絡が取りにくい
  • 遠方にいて営業所を管理できない
  • 名前だけ貸している

特に、小規模事業者や個人事業主の場合は、本人が管理者になることも多いです。

その場合は、管理者を別に置かない分、許可後のルールを自分で把握しておく必要があります。

よくある質問

古物商の管理者とは何ですか?

古物商の管理者とは、営業所ごとに選任する、その営業所の古物営業を適正に実施するための責任者です。

古物商は、営業所ごとに管理者を1人選任しなければなりません。

本人確認、帳簿管理、不正品の疑いがある取引への対応など、許可後の実務にも関わる立場です。

個人事業主本人が管理者になってもいいですか?

個人事業主本人が管理者になることはあります。

特に、自分一人で古物営業を行う場合や、自宅・レンタルオフィスを営業所にしてネット販売を行う場合は、本人が管理者になるケースが多いです。

ただし、本人が管理者になる場合は、許可後の本人確認、帳簿記載、不正品対応も自分で管理する必要があります。

法人代表者が管理者を兼ねてもいいですか?

法人代表者が管理者を兼ねることもあります。

ただし、代表者が実際に営業所の古物営業を管理できることが前提です。

代表者が現場をほとんど見ていない場合は、店長や買取責任者など、実際に営業所の業務を管理する人を管理者にするほうが実態に合うことがあります。

管理者は従業員でもいいですか?

従業員を管理者にすることもあります。

店舗の店長、買取責任者、在庫や帳簿を管理する担当者などが管理者になるケースです。

ただし、実際に営業所の古物営業を管理できる人である必要があります。

名前だけの管理者にするのは避けましょう。

家族を管理者にできますか?

家族を管理者にすることもあります。

ただし、その家族が実際に営業所の運営や古物取引を管理できることが前提です。

単に家族だから、書類を頼みやすいから、という理由だけで管理者にするのはおすすめできません。

管理者は営業所に常駐しなければなりませんか?

管理者は、原則として営業所等に常勤して、管理者の業務に従事し得る状態にある必要があります。

ただし、複数の営業所が近接していて、同じ人が双方を実質的に統括管理できる場合には、複数営業所の管理者を兼任できることもあります。

つまり、形式的に毎分営業所にいるかどうかだけでなく、営業所の古物営業を実質的に管理できる状態かが問題になります。

遠方にいて営業所の取引を把握できない人や、連絡が取りにくい人を管理者にするのは避けましょう。

複数営業所で同じ人を管理者にできますか?

古物商は、営業所ごとに管理者を1人選任する必要があります。

同じ人が複数営業所を管理する場合は、実質的に各営業所の業務を管理できるかが問題になります。

営業所同士が離れている場合や、それぞれで買取業務がある場合は、兼任が適切か慎重に判断しましょう。

管轄警察署によって確認されるポイントが異なることもあるため、事前に営業所を管轄する警察署の防犯係へ相談しておくと安心です。

自宅やレンタルオフィスでも管理者は必要ですか?

自宅やレンタルオフィスを営業所にする場合でも、管理者は必要です。

店舗を構えていない場合や、ネット販売中心の場合でも、営業所として届け出る場所がある以上、その営業所の古物営業を管理する人を選任する必要があります。

レンタルオフィスの場合は、契約内容、部屋の使用実態、在庫や帳簿の管理方法などを確認されることがあります。

契約前または申請前に、営業所を管轄する警察署の防犯係へ相談しておくとよいでしょう。

管理者が変わったら手続きが必要ですか?

管理者が変わった場合は、変更届が必要です。

新たな管理者について、略歴書、住民票の写し、誓約書、身分証明書などが必要になります。

管理者が退職した、店長が交代した、家族から別の家族へ変更するなどの場合は、早めに届出の準備をしましょう。

新しい営業所を追加する場合も管理者を決める必要がありますか?

新しい営業所を追加する場合も、その営業所について管理者を決める必要があります。

ただし、営業所の新設は、管理者の交替とは別に、事前届出が必要になる手続きです。

営業所を新設する場合は、営業所の届出と、その営業所の管理者をどう置くかをあわせて確認しましょう。

管理者の住所が変わっただけでも届出が必要ですか?

管理者本人が変わらなくても、住所や氏名が変わった場合は変更届が必要になることがあります。

警視庁の案内でも、営業所の管理者の氏名変更・住所変更について添付書類が案内されています。

引っ越しや氏名変更があった場合は、届出の要否を確認しましょう。

古物商許可申請の身分証明書は運転免許証ですか?

古物商許可申請でいう身分証明書は、運転免許証やマイナンバーカードのことではありません。

本籍地のある市区町村で取得する書類です。

破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない者に該当しないことなどを証明するために提出します。

本人確認書類とは別物なので、取得先を間違えないようにしましょう。

管理者を置かないとどうなりますか?

古物商は営業所ごとに管理者を選任する必要があります。

管理者を選任できないと認められる事情がある場合、許可の審査や許可後の営業に影響する可能性があります。

また、管理者が実態と合っていない場合、本人確認や帳簿管理、不正品対応などの実務でも問題が出やすくなります。

まとめ

古物商の管理者は、営業所ごとに選任する、古物営業を適正に実施するための責任者です。

個人事業主本人が管理者になることもありますし、法人代表者や従業員が管理者になることもあります。

ただし、管理者は単なる名義人ではありません。

本人確認、帳簿管理、不正品の疑いがある取引への対応など、許可後の実務にも関わる立場です。

管理者を選ぶときは、営業所の取引内容を把握できるか、本人確認や帳簿記載を管理できるか、不正品の疑いがある取引に対応できるかを確認しましょう。

また、管理者が変わった場合や、管理者の住所・氏名が変わった場合は、変更届が必要になることがあります。

営業所の新設・変更・廃止など、営業所に関する変更は事前届出が必要になる場合があるため、管理者変更と混同しないようにしましょう。

管理者の兼任、自宅やレンタルオフィスを営業所にする場合、ネット販売中心の営業形態などは、申請先の警察署によって確認されるポイントが異なることがあります。

迷う場合は、申請前に営業所を管轄する警察署の防犯係へ相談しておきましょう。

古物商許可申請では、管理者欄を埋めることだけでなく、許可後にその営業所をどう管理するかまで考えておくことが大切です。